卵巣がん末期・ステージ4の余命と症状、手術できない時の選択肢

ovarian cancer

末期がんでもできる事があります

この記事でわかること

自宅でタブレットを見ながらノートに情報を整理する女性。

卵巣がんの末期(ステージ4・再発)でも、薬物療法や緩和ケア、統合医療の併用など整理できる選択肢はあります。症状・生存率・選択肢を公的機関の情報で確認できます。

卵巣がんは末期(ステージ4)でも、できることがある

看護師と女性がノートを前にして落ち着いて相談している。

「卵巣がんの末期と言われたら、何から考えればいいのか」。この章では、まず「末期」がどの状態を指すのかを公的機関の情報で整理し、この記事で扱う範囲と情報の時点を示します。手術ができないと言われた段階でも、治療の選択肢と過ごし方を整理する余地は残っています。

卵巣がんの「末期」とは、どの状態を指すのか

正式な進行期はⅠ〜Ⅳ期で、治療は状態に応じて相談することを示す図。

結論からいうと、医学的に「末期」という進行期の区分はありません。卵巣がんはⅠ期からⅣ期に分類され、腹膜播種や後腹膜リンパ節転移があるとⅢ期、胸水中にがん細胞が見られたり、肝臓や脾臓の内部、腹腔の外に転移があるとⅣ期とされます(出典:「卵巣がん・卵管がん・腹膜がん 治療」)。

一般に「末期」と呼ばれるのは、このⅣ期や、再発を繰り返して標準治療の選択肢が限られてきた状態を指すことが多いのです。ただしⅣ期でも薬物療法の対象になる人は多く、「末期=何もできない」ではありません。

この記事でわかる範囲と、情報の時点

書斎でタブレットを確認しながらノートを取る女性。

この記事では、卵巣がんの原因から末期の症状、ステージ別の5年生存率、治療法、手術ができないときの選択肢までを一覧で把握できるようにまとめています。

医学的な事実は国立がん研究センターがん情報サービスの「卵巣がん・卵管がん・腹膜がん」(2026年3月17日更新)と全国がん登録のデータを根拠にし、当協会の立場からの情報はそれと分けて書いています。対象は上皮性の卵巣がんが中心で、胚細胞腫瘍など別の種類については主治医にご確認ください。生存率は過去の診断例の数値なので、これから治療を受ける人にそのまま当てはまるとは限りません。

手術ができないと言われても、選択肢の整理はこれから始められる

女性と相談員が資料を見ている写真に「選択肢を一緒に整理」と添えた画像。

「手術は難しい」という言葉を、治療の終わりと受け取ってしまう方は少なくありません。しかし卵巣がんでは、再発や腹膜転移で手術が難しい場合でも薬物療法が主な治療として検討され、痛みや腹水をやわらげる緩和ケアは診断されたときから並行して受けられます。

さらに、標準治療をサポートする形で統合医療を組み合わせるという考え方もあります。大切なのは、いま提示されている選択肢と、まだ聞いていない選択肢を分けて整理し、主治医に確認することです。当協会では、その整理を無料で一緒に行っています。

卵巣がんの原因と、なりやすい人の特徴

女性が医療者と向かい合い、遺伝的なリスクについて相談するイメージ。

卵巣がんの原因としてはっきりわかっているものは多くありません。この章では、公的機関が主な発生要因として挙げる遺伝的要因と、予防や検診の現状を整理します。「なぜ自分が」という問いに、科学的にわかっている範囲で答えます。

遺伝的要因、BRCA1・BRCA2遺伝子の変異と遺伝性乳がん卵巣がん

BRCA1・BRCA2の変異があっても必ず発症するわけではないことと遺伝カウンセリングを示すイラスト。

発生要因の1つとして、遺伝的要因が挙げられています(出典:「卵巣がん・卵管がん・腹膜がん 予防・検診」)。特に、細胞のがん化を防ぐ働きをするBRCA1遺伝子またはBRCA2遺伝子に変異がある女性(遺伝性乳がん卵巣がん)は、卵巣がんや乳がんを発症するリスクが高いことがわかっています。ただし、変異があるからといって必ずがんになるわけではありません。

血縁者に卵巣がんや乳がんの方が多い場合は、遺伝医学の専門家がいる施設で遺伝カウンセリングを受けることが勧められており、施設の情報はがん相談支援センターで確認できます。

卵巣がん特有の予防法は、まだ確立されていない

自宅の台所で魚や野菜を使った普段の食事を用意する女性。

卵巣がん・卵管がん・腹膜がんについては、現在のところ特有の予防法は確立されていません。日本人を対象とした研究では、がん全般の予防として禁煙、飲酒を控えること、バランスの良い食事、活発な身体活動、適正体重の維持、感染の予防が有効とされています。

例外として、BRCA1またはBRCA2遺伝子の変異がわかった女性には、遺伝カウンセリングの体制が整った施設で、がんになる前に卵管と卵巣を切除するリスク低減卵管卵巣摘出手術を検討することがあります。予防法が限られるからこそ、症状に気づいたら早めに婦人科を受診することが重要です。

卵巣がんには、指針で定められた検診がない

婦人科の窓口で女性が相談する写真に「気になる変化は婦人科へ」と添えた画像。

日本では厚生労働省の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」でがん検診の方法が定められていますが、卵巣がん・卵管がん・腹膜がんについては、現在、指針として定められた検診はありません。がん検診は症状のない人を対象に死亡を減らす目的で行うもので、効果が科学的に確認された検査がまだないためです。

そのため、服のウエストがきつい、下腹部にしこりがある、食欲がないといった変化に自分で気づくことが発見の入り口になります。気になる症状がある場合は、検診を待たずに医療機関を早めに受診することが勧められています。

卵巣がんの初期症状と、進行したときの症状

自宅のソファに座り、おなかに手を当てて体の変化を気にする女性。

卵巣がんは「サイレントキラー」と呼ばれるほど初期に症状が出にくく、見つかったときには進行していることが多いがんです。この章では、初期の変化から進行期、末期に現れやすい症状、終末期に近づいたときの変化までを段階ごとに整理します。

初期はほとんど自覚症状がなく、見つかったときには進行していることが多い

初期は症状に気づきにくく、ウエストや食欲の変化が続く場合の婦人科相談を促すイラスト。

卵巣がんの自覚症状は、初期の段階ではほとんどありません。服のウエストがきつくなる、下腹部にしこりが触れる、食欲がなくなったといった症状をきっかけに受診し、卵巣がんとわかる場合があります(出典:「卵巣がん・卵管がん・腹膜がんについて」)。

卵巣はおなかの奥にあり、腫瘍が大きくなるまで周囲を圧迫しないためです。実際、全国がん登録の2018年診断例では、診断時にがんが卵巣にとどまる「限局」は約21%にすぎず、約半数が周囲に広がった「領域」、約18%が「遠隔」転移の段階で見つかっています。

進行すると起きる頻尿・便秘・足のむくみ・腹水

頻尿・便秘、足のむくみ、おなかの張りと、症状だけでは診断できないことを示す図。

がんが大きくなると、隣にある膀胱や直腸が圧迫されて、頻尿や便秘が起きることがあります。骨盤内の血管やリンパの流れが妨げられて起こるのが、足のむくみです。

さらに進行して腹膜にがんが広がると腹水がたまり、おなかが大きく前に突き出てくることもあります。これらは卵巣がんに特有の症状ではなく、便秘や更年期の不調と思って様子を見てしまう人も少なくありません。症状が数週間続く、急にウエストが太くなった、食事の量が減っているのに体重が増えるといった場合は、婦人科で超音波検査を受けることが早期発見につながります。

末期に現れやすい腹水・腸閉塞・胸水

腹水によるおなかの張り、腸閉塞の吐き気・便秘、胸水による息苦しさを示す図。

進行や再発が進んだ段階では、強い痛みのほかに、おなかに水がたまる腹水、腸が詰まって食事が通らなくなる腸閉塞、尿の通り道がふさがれて腎臓の働きが悪くなるといった症状が出ることがあります。胸水がたまると息苦しさや呼吸困難が現れます。腹水は圧迫感や食欲不振を招き、体力を奪いやすい症状です。

これらは「がんそのものによる症状」であり、おなかの水を抜く処置、痛みをとる薬、尿の通りをよくする管の設置など、体を楽にするための治療やケアが用意されています。症状が出たら我慢せず、早めに医療者に伝えることが大切です。

終末期に近づいたときの変化と、家族が知っておきたいこと

ベッドで休む人の手に、家族がそっと両手を添えている。

終末期に近づくと、食事や水分をとる量が減り、眠っている時間が長くなり、意識がもうろうとする時間が増えていくことが一般的です。本人にしかわからないつらさも含めて、早めに医療者やがん相談支援センターに相談しましょう。

緩和ケアは、外来・入院・自宅のいずれでも受けられます。家族にできるのは、症状の変化を医療者に伝えること、本人の希望を聞いておくこと、そして自分自身の不安も誰かに話すことです。当協会には、末期がんのご家族だけのご相談も多く寄せられています。

母が末期がんと告げられたご家族(50代・女性)からは、「残された時間の過ごし方という重い話から逃げずに、一緒に考えてくださったことが何よりの支えでした」という声が届いています(当協会「ご相談者の声」より)。同じ立場のご家族の声は、次のページでも紹介しています。

ご相談者からのお便り

卵巣がんの種類(組織型)と、性質の違い

検査室で顕微鏡を使い、組織を調べる医療者。

同じ卵巣がんでも、どの細胞から発生したか(組織型)によって、進み方や薬の効きやすさが大きく異なります。この章では、公的機関の分類に沿って卵巣がんの種類を整理し、卵管がん・腹膜がんが同じ枠で扱われる理由も説明します。

上皮性・胚細胞・性索間質性に分かれ、上皮性が最も多い

卵巣の腫瘍の3分類である上皮性腫瘍、胚細胞腫瘍、性索間質性腫瘍を示す図。

卵巣がんは、起源となる組織によって主に3つに分類されます。卵巣の表面をおおう上皮から発生する「上皮性腫瘍」、卵子のもとになる細胞から発生する「胚細胞腫瘍」、性ホルモンをつくる細胞から発生する「性索間質性腫瘍」で、このうち上皮性腫瘍が最も多くなっています。

卵巣や卵管の腫瘍は、がんである悪性腫瘍、転移をしない良性腫瘍、中間的な性質の境界悪性腫瘍の3種類です。この記事で扱うのは最も頻度の高い上皮性の卵巣がんで、胚細胞腫瘍などほかの種類は治療方針が異なるため、主治医に確認してください。

漿液性・明細胞・類内膜・粘液性で変わる、薬の効きやすさ

漿液性・明細胞・類内膜・粘液性という組織型を医師に確認するイラスト。

上皮性のがんは、さらに漿液性がん、明細胞がん、類内膜がん、粘液性がんなどの組織型に分けられ、それぞれ性質が異なります。最も多い漿液性がんは、進行した状態で見つかることが多い一方で、薬物療法が効きやすい性質のがんです。

悪性度の高さを示す異型度も組織型ごとに分け方が異なり、漿液性がんは低異型度と高異型度、類内膜がんはグレード1〜3に分類され、数字が大きいほど悪性度が高くなります。自分のがんの組織型と異型度を知っておくことは、提案された薬の意味を理解し、主治医に質問するための出発点になります。

卵管がん・腹膜がんが、卵巣がんとまとめて扱われる理由

卵巣・卵管・腹膜の位置と、性質や治療法に共通点があることを示す模式図。

卵管がんは卵管に、腹膜がんはおなかの内側をおおう腹膜に発生するがんです。発生する場所は異なりますが、がん細胞の性質や治療法が共通しているため、公的情報では「卵巣・卵管・腹膜の上皮性腫瘍(特に漿液性がん)」としてまとめて扱われるようになっています。

腹膜がんは、卵巣や卵管にがんが見つからないのに腹膜に漿液性がんが見られる場合に診断され、卵管がんは1年間に約200例、腹膜がんはまれで正確な統計がありません。なお、ほかの臓器のがんが腹膜に広がった「腹膜播種」や、腹膜中皮腫は腹膜がんとは別の病気です。

ステージ別の症状と、5年生存率・余命の目安

相談室で女性が医師に質問しながら資料の説明を聞いている。

「ステージ4の余命はどのくらいか」は、最も多く検索されている疑問です。この章では、卵巣がんのステージ分類と、全国がん登録にもとづく進行度別の5年相対生存率を早見表で示し、その数字をどう読むべきかを整理します。

ステージ1〜4の分類と、手術の後に進行期が決まる理由

卵巣がんのⅠ〜Ⅳ期の広がりと、手術後に進行期を評価することを示す図。
ステージ(進行期)主な状態
Ⅰ期がんが卵巣あるいは卵管内にとどまっている
Ⅱ期子宮や直腸、膀胱など骨盤内の臓器に広がっている
Ⅲ期腹膜播種か、後腹膜リンパ節への転移がある
Ⅳ期胸水中にがん細胞がある(ⅣA)、肝臓・脾臓の実質転移や腹腔外の臓器への転移がある(ⅣB)

卵巣がんの進行期は、がんの広がりによってⅠ期からⅣ期に分類されます。Ⅰ期はがんが卵巣や卵管の中にとどまる状態、Ⅱ期は子宮や直腸、膀胱など骨盤内の臓器に広がった状態、Ⅲ期は腹膜播種か後腹膜リンパ節への転移がある状態、Ⅳ期は胸水中にがん細胞が見られる、肝臓や脾臓の内部、腹腔の外の臓器に転移がある状態を指します。他のがんと違うのは、進行期が手術の後に決まることです。

卵巣は体の奥にあり、切除した組織を調べないと正確な広がりを評価できないためです。そのため、手術前の画像で「進行している」と言われても、最終的な進行期は病理検査を待って確定します。

全国がん登録にみる、卵巣がんの5年相対生存率

2018年診断例の卵巣がん5年相対生存率、全体59.9%、限局92.6%、領域63.6%、遠隔26.5%を示す図。
進行度(2018年診断例)対象者数5年相対生存率
全体9,602例59.9%
限局(卵巣にとどまる)2,051例92.6%
領域(周囲の組織・リンパ節に広がる)4,720例63.6%
遠隔(離れた臓器に転移)1,701例26.5%

2023年に卵巣がんと診断されたのは12,926例、2024年の死亡数は5,116人です(出典:「卵巣 がん統計」)。全国がん登録の2018年診断例では、卵巣がん全体の5年相対生存率は59.9%でした。

進行度別に見ると、がんが卵巣にとどまる限局では92.6%、周囲やリンパ節に広がった領域では63.6%、離れた臓器に転移した遠隔では26.5%です。相対生存率は、がん以外の死因の影響を除いて「診断から5年後に生存している割合」を示す指標で、治療の効果を集団として見るための数字です。

進行度別の5年生存率の読み方と、余命が数字どおりにならない理由

生存率は過去の集団の統計であり、個人の期限ではなく経過は一人ひとり異なると伝えるイラスト。

遠隔転移で26.5%という数字を見て、「4人に3人は5年以内に亡くなる」と受け取る必要はありません。全国がん登録の「限局・領域・遠隔」はステージ分類とは別の区分で、ステージ4がそのまま遠隔に当たるわけではなく、ステージ3の多くは領域に含まれます。さらに2018年の診断例の数値であり、その後に維持療法などの治療が広がったことは反映されていません。

生存率は過去の集団の平均であって、個人の経過は組織型、体力、治療への反応で大きく変わります。数字は「見通しの目安」として受け止め、いまできることを考える材料に使ってください。余命宣告を受けたあとの考え方や、当協会に寄せられた事例は次の記事で整理しています。

末期がんで余命宣告されてからの選択肢

進行速度と、再発・転移しやすい部位

女性と医師がノートを前に、治療後の経過について相談している。

卵巣がんは腹膜に広がりやすい性質があり、治療後の再発も少なくありません。この章では、なぜ腹膜播種が起こりやすいのか、どこに転移しやすいのか、再発までの期間によって治療の考え方がどう変わるのかを公的情報に沿って整理します。

腹膜播種が起こりやすい理由

卵巣から腹膜などへがんが広がる腹膜播種の概念を示す模式図。

卵巣がんが進行すると、腹膜や大網にがんが広がる腹膜播種が起こりやすくなります。卵巣や卵管の周りには、大腸、小腸、横隔膜、脾臓、腹壁の内側をおおう腹膜と、胃から垂れ下がって腸をおおう大網があり、がんが卵巣の表面に出ると、腹腔内に種をまくように散らばってしまうためです。

播種したがんは大腸や小腸、横隔膜などに浸潤することもあります。腹水がたまる、腸閉塞を起こすといった末期の症状は、この腹膜播種によるものが中心です。進行期分類でも腹膜播種があればⅢ期とされ、手術でどこまで取りきれるかが治療方針を左右します。

後腹膜リンパ節・肺・肝臓・脳・骨への遠隔転移

腹膜・後腹膜リンパ節と肺・肝臓・脳・骨など、広がる場所によって症状が異なることを示す図。

腹膜播種のほかに、腹部の大血管の周りにある後腹膜リンパ節への転移や、肺や肝臓、脳、骨といった離れた臓器への遠隔転移が起こることもあります。進行期分類では、胸水の中にがん細胞が見つかる状態がⅣA期、肝臓や脾臓の内部への実質転移、または腹腔の外にある臓器や鼠径リンパ節などへの転移がある状態がⅣB期です。

転移の場所によって現れる症状は異なり、胸水では息苦しさ、骨転移では痛み、脳転移では頭痛や手足のまひなどが出ることがあります。脳転移に対しては、症状の緩和だけでなく予後の改善を目的に放射線治療を行うことがあります。

再発までの期間で変わる、再発治療の考え方

プラチナ製剤を含む治療の終了から再発までの6カ月未満・6カ月以上という期間も、薬の選択の判断材料になると示す図。

再発とは、治療で見かけ上なくなったがんが再び現れることで、別の臓器に転移として見つかる場合も含みます。卵巣がんが再発した場合は薬物療法が主な治療になり、使う薬は前の治療が終わってから再発までの期間で変わります。

6カ月未満で再発した場合は細胞障害性抗がん薬が効きにくいがんと考えられ、初回とは別の薬を単独で使う治療が検討の対象です。6カ月以上あいていれば複数の薬を使った治療を中心に検討し、効果があればさらに維持療法を行うことがあります。標準治療を受けた後に次の選択肢を考えるときは、がん遺伝子パネル検査を検討することもあります。

再発を告げられたときの治療の選択については、次の記事も参考にしてください。

がんが再発したときの治療の選択

卵巣がんの検査方法

検査用の寝台とCT装置が置かれた明るい検査室。

卵巣がんの診断には、画像検査だけでは決められないという特徴があります。この章では、受診から確定診断までに行われる検査の流れと、腫瘍マーカーの値をどう受け止めればよいかを整理します。

内診・超音波・CT・MRIで何を調べるか

超音波で大きさや性質、CTで広がりや転移、MRIで骨盤内を詳しく調べる役割を示す図。

卵巣がんが疑われた場合、まず腹部の触診や内診、直腸診で子宮や卵巣、直腸周囲の状態を確認します。次に超音波(エコー)検査で腫瘍の大きさや性質、周囲との位置関係を調べ、経腟超音波検査がよく使われます。

CT検査はリンパ節転移や、卵巣から離れた場所への遠隔転移の有無を調べるために、MRI検査は骨盤内部を細かく調べ、腫瘍内部の状態や子宮・膀胱・直腸との位置関係を観察するための検査です。これらの画像検査で疑いがあると判断された場合に、手術で病変を採取して診断する流れが示されています(出典:「卵巣がん・卵管がん・腹膜がん 検査」)。

確定診断は、手術で採取した組織の病理検査

医療者が手袋を着けて組織のスライドを持ち、顕微鏡での病理検査を準備している。

卵巣がんを確定するには、病変の一部をとって調べる細胞診・組織診(病理検査)が必要です。しかし卵巣や卵管はおなかの奥にあり、皮膚から針を刺して組織をとることが容易ではありません。そのため、画像検査で疑いがあれば、まず手術で病変を採取し、病理検査で良性か境界悪性か悪性かを判定し、組織型を確定します。

最終的な診断結果が出るまでの期間は、3週間から4週間です。手術中に悪性が疑われた場合は、手術の範囲を決めるために組織を採取して調べる術中迅速病理診断を行うこともあります。腹水や胸水がある場合は、針で採取して調べることもあります。

腫瘍マーカーCA125の値だけでは判断できない

CA125だけで判断せず、腫瘍マーカー・画像検査・病理検査を合わせて医師が判断する図。

卵巣がんでは、血液中のCA125などの腫瘍マーカーを測定します。腫瘍マーカーは主にがん細胞がつくるタンパク質などで、体の中のがんの量を反映する指標として、診断の補助や診断後の経過観察、治療の効果判定に使われます。

ただし、がんかどうかは腫瘍マーカーの値だけでは診断できず、進行や転移の経過も値の変化だけでは判断できません。数値が上がって不安になったときは、画像検査や病理検査と合わせて医師がどう総合的に判断しているかを確認することが、必要以上に恐れないための近道です。

卵巣がんの治療方法と費用感

女性が相談員と書類や電卓を見ながら治療費について相談している。

卵巣がんの治療は、手術と薬物療法が中心です。この章では、公的機関が示す標準治療(手術・薬物療法・放射線治療・緩和ケア)の役割と、標準治療に統合医療を組み合わせるという考え方、費用の面で知っておきたいことを整理します。

手術でがんを取りきれたかどうかが、予後を左右する

女性が医師の説明を聞き、手術について相談するイメージ。

卵巣がんでは、手術でがんを取りきれたかどうかが予後に影響し、残っているがんが小さいほど予後が良くなります。初回の手術は、両側の卵巣と卵管、子宮、大網を切除して進行期を診断し、目に見えるがんを可能な限り切除する「進行期決定開腹手術/一次的腫瘍減量術」が基本です。

取りきることが難しい場合は、診断のための試験開腹術や診査腹腔鏡を行い、先に薬物療法でがんを小さくしてから切除するインターバル腫瘍減量術を検討します。手術の費用は保険診療の対象で、高額療養費制度により自己負担には上限があります。

薬物療法、TC療法・分子標的薬・維持療法

外来の治療用チェアで、女性が看護師から説明を受けている。

卵巣がんは進行した状態で見つかることが多い一方、最も多い漿液性がんは薬物療法が効きやすい性質のがんです。初回の化学療法は、パクリタキセルとカルボプラチンを使うTC療法が中心で、Ⅲ期・Ⅳ期では分子標的薬のベバシズマブを追加することがあります。

Ⅲ期・Ⅳ期で再発を防ぐために行うのが維持療法で、ベバシズマブの点滴やオラパリブ、ニラパリブの内服薬を1〜2種類使い、BRCA遺伝子やHRD検査の結果で薬を選ぶことがあります。副作用には吐き気、白血球減少、脱毛、しびれなどがありますが、予防薬の進歩で以前よりコントロールしやすくなりました。

放射線治療は、再発時の症状緩和が中心

放射線治療用の装置と寝台を備えた治療室。

卵巣がんでは、放射線を当てる範囲に消化管や肝臓、腎臓が含まれてしまい、治療に十分な線量を照射できないため、最初に行う治療としては放射線治療は推奨されていません。一方で、再発して痛みや出血などの症状がある場合には、症状をやわらげるために局所的な放射線治療(緩和照射)を行うことがあります。

脳転移がある場合には、症状の緩和だけでなく予後の改善を目的として放射線治療をすることもあります。「放射線は使えない」のではなく「使う場面が限られる」と理解しておくと、提案を受けたときに判断しやすくなるでしょう。

緩和ケア・支持療法は、診断されたときから受けられる

緩和ケアは診断時から、治療と並行して受けられることを示す図。

緩和ケア/支持療法は、がんに伴う体と心のつらさ、社会的なつらさをやわらげ、治療の副作用や合併症を軽くするための予防・治療・ケアのことです。がんと診断されたときから治療と並行していつでも受けることができ、「治療をあきらめた人のもの」ではありません(出典:「緩和ケア」)。

痛みには薬の処方、気持ちの落ち込みには心理的なケア、腹水には水を抜く処置など、症状に応じた対応があります。全国のがん診療連携拠点病院で外来・入院のどちらでも受けられ、自宅で受けることも可能です。当協会にご相談いただいた70代の男性は、主治医から緩和ケアの話が出たとき「もう何もできないのか」と目の前が真っ暗になったそうです。

相談で、緩和ケアはつらさを和らげながら自分らしく過ごすための医療だという考え方を知って誤解が解け、いまは痛みとの付き合い方を覚えて穏やかに過ごされています(当協会「ご相談者の声」より)。

統合医療・自然療法を組み合わせるという選択肢

女性と医師がノートを見ながら生活や療養について相談している。

統合医療は、厚生労働省の検討会で「近代西洋医学を前提として、これに補完代替療法や伝統医学等を組み合わせて更にQOLを向上させる医療」と位置づけられています。手術や薬物療法を否定するものではなく、標準治療をサポートする形で、食事の改善、運動、温熱療法、漢方、心のケアなどを組み合わせる考え方です。

注意したいのは、補完代替療法の多くは自由診療で、取り組む内容によっては自己負担が増えることです。何を組み合わせるかは、主治医に伝えたうえで、効果の根拠と費用を確認しながら選ぶことが大切になります。

当協会は、この定義に基づき、標準治療をサポートする形で信頼性の高い補完代替療法の情報を整理・提供している一般社団法人です。医師や大学教授が理事を務め、特定の商品や治療法を勧めることはありません。協会が紹介している療法の分類は、次のページで確認できます。

協会推奨の代替療法

手術ができない・緩和ケアをすすめられたときの選択肢

女性と家族が看護師と向かい合い、治療や療養の選択肢を相談している。

「手術は難しい」「緩和ケアを考えましょう」と言われた段階で、何を基準に次の一歩を選べばよいのか。この章では、再発・腹膜転移で手術が難しいときに残る治療、体を楽にする処置、療養の場所、統合医療の併用、主治医への確認事項を順に整理します。

再発・腹膜転移で手術が難しいときの、薬物療法と遺伝子パネル検査

DNAの模型が置かれた相談室で、女性が医師の説明を聞いている。

再発や腹膜転移で手術が難しいと言われても、卵巣がんでは薬物療法が主な治療として残ります。前の治療終了から再発までの期間に応じて薬を選び、効果があれば維持療法を続けることも可能です。

術後の薬物療法が終わって再発した場合や、標準治療を受けたあとに次の選択肢を考えるときには、がんの遺伝子の変化を調べて合う薬を探す「がん遺伝子パネル検査」を検討することがあります。再発して腹膜転移があり手術ができない状況は、治療の終わりではなく、薬物療法と緩和ケアを組み合わせて進める段階です。主治医に、いま検討できる薬と検査を具体的に聞いてみてください。

腹水や痛みをやわらげる処置で、体を楽にする

病室のベッドで女性が看護師につらい症状を伝えている。

末期に近い段階で生活の質を大きく左右するのが、腹水、痛み、腸閉塞、尿路の閉塞といった症状です。これらにはそれぞれ、おなかにたまった水を抜く処置、医療用麻薬を含む痛みをとる薬、尿の通りをよくする管の設置など、体を楽にするための治療やケアが用意されています。

末期の治療では「症状の緩和」が柱になり、処置の多くは外来や在宅でも受けられます。「痛み止めを使うと体に悪い」「麻薬は最後の手段」といった思い込みから我慢してしまう人もいますが、つらさを減らすことは食事や睡眠を保ち、体力を保つことにもつながるでしょう。症状は遠慮せず医療者に伝えてください。

在宅緩和ケアで、自宅で過ごす

自宅の介護用ベッドで女性が訪問看護師と話し、家族がそばで見守っている。

療養の場所は、自宅(在宅緩和ケア)、緩和ケア病棟、一般病棟から選ぶことができます。在宅緩和ケアは、訪問診療や訪問看護、介護サービスを組み合わせて、住み慣れた家で過ごしながら痛みや腹水などの症状に対応してもらう方法です。

緩和ケアは自宅でも受けられ、必要なときには地域の病院と連携して続けられます。家で過ごしたいという本人の希望と、家族の介護の負担をどう両立させるかが現実的な課題になるため、介護保険の申請など地域の緩和ケアの情報はがん相談支援センターやソーシャルワーカーに早めに相談するとよいでしょう。

緩和ケア病棟(ホスピス)に入院する

緩和ケア病棟をイメージした落ち着いた部屋で、女性が看護師と話している。

緩和ケア病棟(ホスピス)は、がんによる苦痛をやわらげ、その人らしく過ごすことを目的とした入院施設です。医師や看護師が常にそばにいるため、痛みや呼吸困難などの症状が強いときや、自宅での介護が難しいときの安心感が大きく、家族の負担も軽くなります。入院費は保険診療の対象で、個室料などは施設により異なります。

「ホスピスに入ったら治療は終わり」と受け取られがちですが、症状が落ち着けば自宅に戻る人もいますし、在宅で対応できる状態になってから退院して在宅緩和ケアに切り替えることも可能です。見学や相談は早めに始めておくと選びやすくなります。緩和ケアやホスピスをすすめられたときの対処法と検討すべきことは、次の記事で詳しく整理しています。

緩和ケア・ホスピスをすすめられたときの対処法

標準治療に統合医療を組み合わせて取り組む

統合医療を組み合わせる前に、主治医への相談、根拠と費用の確認、標準治療を自己判断でやめないことを示す図。

手術が難しい段階でも、薬物療法や緩和ケアを続けながら、食事の改善や運動、温熱療法、心のケアといった補完代替療法を組み合わせて取り組む方は少なくありません。当協会への相談でも「標準治療とは別に取り組めることはないか」という問いは多く寄せられます。

大切なのは、標準治療や緩和ケアをやめて置き換えるのではなく、主治医に伝えたうえで並行して取り組むこと、効果の根拠と費用を確認すること、体調に合わせて無理をしないことです。何を組み合わせればよいか迷うときは、公的機関の情報をもとに一緒に整理する相談先を持っておくと、情報に振り回されずに済みます。

主治医に確認しておきたい質問と、セカンドオピニオン

女性と家族が自宅でノートを見ながら、主治医に確認したい質問を整理している。

手術が難しいと言われたときに整理しておきたいのは、提案された治療の目的、期待できる効果と受けない場合の見通し、副作用と対処法、緩和ケアを並行できるか、ほかの選択肢や臨床試験はあるか、決めるまでにどれくらい時間があるか、という点です。担当医が提案した以外の治療法を知りたいときや、意見を別の角度から検討したいときには、セカンドオピニオンを聞くこともできます。

セカンドオピニオンは主治医に失礼なことではなく、紹介状をもらって受けるのが一般的です。質問を紙に書いて診察に持っていくだけでも、聞き漏らしが減ります。

当協会に寄せられた卵巣がんの相談事例と無料相談

相談員が女性の話を聴きながら、手元のノートに記録している。

一般社団法人日本がん難病サポート協会には、卵巣がんが再発し、手術ができないと言われた方からのご相談も寄せられています。この章では、実際の相談事例と、無料相談で一緒に整理できることをご紹介します。

術後5年で再発・腹膜転移、手術不可と言われた55歳女性の相談事例

再発後の選択肢を女性が相談員と話し合うイラスト。個人の相談事例で同じ経過を保証しないことを添えている。

当協会に相談された55歳の女性は、卵巣摘出手術から5年で再発し、腹膜に転移が見つかりました。ステージ3で手術はできず、化学療法を予定しているものの改善は難しいと説明され、「標準治療とは別に、補助的な処置や抗がん剤の副作用軽減に有効な療法はないか」というご相談でした。

相談を通じて選択肢を整理し、自然療法と食事療法を中心に取り組まれた結果、生活の質が向上されています。これは当協会に寄せられた個人の相談事例であり、同じ経過をたどることを保証するものではありません。手術ができないと言われた段階からでも、取り組めることがあるという一例です。

ご家族だけの相談、匿名・オンラインでも相談できる

自宅で二人の女性がパソコンを前に、家族のオンライン相談を行うイメージ。

当協会の個別相談は無料で、電話(平日9時〜18時)、メール(365日24時間受付)、オンラインや対面に対応しています。匿名でも可能で、ご本人が同席されないご家族だけのご相談も歓迎しています。

末期がんやステージ4、緩和ケア・ホスピスをすすめられた段階の方からのご相談が最も多く、「話がまとまっていない」「何から考えればいいかわからない」という状態のままで構いません。当協会は医療機関ではなく、診断や治療は行いません。公的機関の情報をもとに考え方を整理し、主治医との対話を後押しすることが役割で、特定の商品や治療法の勧誘は行っていません。

無料相談で一緒に整理できること

女性と相談員が色の違う付箋を並べて、相談内容を一緒に整理している。

無料相談では、いま提示されている治療の選択肢と、まだ確認していない選択肢を分けて整理すること、次の診察で主治医に確認したい質問を一緒に書き出すこと、緩和ケアや在宅療養の考え方、これからの時間の過ごし方、ご家族との関わり方などをお話しいただけます。統合医療や補完代替療法について気になる情報があれば、公的機関の情報をもとに見極め方を一緒に考えていきましょう。

ご相談いただいた方からは、「急かさず話を聞いてもらい、選択肢と主治医に確認すべきことを整理できた」という声も届いています。一人で決めなければと焦る前に、まずは一度、お話しください。

【まとめ】 卵巣がんの末期でも、選択肢を整理すれば今できることが見えてくる

病院の明るい廊下を、女性が家族と医療者に付き添われて歩いている。

卵巣がんは初期に症状が出にくく、約半数が周囲に広がった段階で見つかります。全国がん登録の2018年診断例では5年相対生存率は全体で59.9%、遠隔転移では26.5%ですが、これは過去の集団の平均であり、個人の経過を決める数字ではありません。再発や腹膜転移で手術が難しくても薬物療法は続けられ、腹水や痛みをやわらげる緩和ケアは診断時から並行して受けられます。

療養の場所も自宅や緩和ケア病棟から選べ、標準治療をサポートする形で統合医療を組み合わせる道もあります。まず、主治医に確認したいことを整理するところから始めてみてください。当協会の無料相談も、その整理のためにご利用いただけます。

一人で抱え込む前に、まずは無料相談でお話しください

自宅で女性がスマートフォンを耳に当て、落ち着いて相談している。

卵巣がんが再発して手術が難しいと言われた、緩和ケアをすすめられて気持ちの整理がつかない、ご家族としてどう支えればいいかわからない。当協会には、そうした段階の方からのご相談が最も多く寄せられています。公的機関の情報をもとに、選択肢と主治医に確認したいことを一緒に整理し、主治医との対話を後押しします。

無料相談はこちら

お電話でのご相談は 03-5657-0995(平日9時〜18時)。メールでのご相談は365日24時間受け付けています。ご家族だけのご相談も可能です。

同じ段階の方の相談事例は「がんの部位別事例一覧」でも紹介しています。

よくある質問

待合室で二人の女性がノートを開き、確認したいことを話している。

卵巣がんのステージ4は末期ですか?

診察室で女性が医師に質問をし、医師が話を聴いている。

医学的に「末期」という進行期の区分はありません。ステージ4は胸水中にがん細胞がある、肝臓や脾臓の内部や腹腔の外に転移がある状態を指し、薬物療法の対象になる人も多くいます。一般に末期と呼ばれるのは、再発を繰り返して標準治療の選択肢が限られた状態で、ステージ4=何もできない、ではありません。

詳しくは 末期がどの状態を指すのか を参照してください。

卵巣がんが末期になると、どんな症状が出ますか?

おなかの張り・吐き気・息苦しさなどのつらさを、女性が早めに看護師へ伝えるイラスト。

進行や再発が進むと、腹水によるおなかの張りや食欲不振、腸閉塞による吐き気や便秘、胸水による息苦しさ、強い痛み、尿路の閉塞などが現れやすくなります。いずれも腹水を抜く処置や医療用麻薬、尿管の管など体を楽にする治療があるため、我慢せず早めに医療者へ伝えることが大切です。

詳しくは 末期に現れやすい症状 を参照してください。

卵巣がんステージ4の5年生存率はどのくらいですか?

2018年診断例の卵巣がんの遠隔区分の5年相対生存率26.5%と、ステージ4と同じ区分ではないことを示す図。

全国がん登録の2018年診断例では、卵巣がん全体の5年相対生存率は59.9%、離れた臓器に転移した「遠隔」では26.5%です。ただし登録の区分はステージと完全には一致せず、2018年当時の治療にもとづく過去の集団の数値です。個人の経過は組織型や体力、治療への反応で変わります。

詳しくは 進行度別の5年相対生存率 を参照してください。

卵巣がんの再発には自覚症状がありますか?

定期的な診察で女性患者が医師に体調の変化を伝え、ノートとカレンダーを使って経過を確認している写真。

再発の初期には自覚症状が乏しいことが多く、腹部の張りや腹水、便秘、食欲低下などが出たときには広がっていることもあります。そのため治療後1〜2年目は1〜3カ月ごと、3〜5年目は3〜6カ月ごとを目安に、内診や超音波、腫瘍マーカー、必要に応じてCTなどで経過観察を続けます。

詳しくは 再発したときの治療の考え方 を参照してください。

卵巣がんは治療後、何年くらいで再発・進行しますか?

女性患者と医師が経過観察を相談するイラスト。「再発の時期は一人ひとり異なる」「経過観察を続ける」と示している。

再発までの期間は人によって大きく異なり、一律の年数はありません。公的情報では、前の治療終了から再発までが6カ月未満か6カ月以上かで薬の選び方が変わると示されており、6カ月以上あいているほど薬物療法の効果が期待しやすいとされます。経過観察は6年目以降も年1回を目安に続けます。

詳しくは 再発までの期間と治療の関係 を参照してください。

卵巣がんはどこに転移しやすいですか?

女性患者が診察室で医師の説明を聞いている写真。机の上には説明用の小さな子宮・卵巣の模型が置かれている。

最も多いのは腹膜や大網に散らばる腹膜播種で、大腸や小腸、横隔膜、脾臓の表面に広がることがあります。次いで腹部の大血管の周りにある後腹膜リンパ節への転移、さらに肺(胸水)、肝臓、脳、骨などへの遠隔転移が起こることもあり、転移の場所によって現れる症状が異なります。

詳しくは 転移しやすい部位 を参照してください。

卵巣がんの初期症状にはどんなものがありますか?

女性が食卓でノートに体調を記録している写真。普段の食事のそばで、気になる変化を振り返っている。

初期にはほとんど自覚症状がありません。あるとすれば、服のウエストがきつくなる、下腹部にしこりが触れる、食欲がなくなるといった変化で、便秘や更年期の不調と間違えやすいものです。卵巣がんには指針で定められた検診がないため、こうした変化が続くときは早めに婦人科を受診してください。

詳しくは 初期症状と発見時の進行度 を参照してください。

手術ができないと言われたら、何から考えればいいですか?

主治医への質問を整理する図解。「治療の目的は?」「つらさを減らす方法は?」「ほかの選択肢は?」の3項目を示している。

まず、提案されている薬物療法の目的と見通し、緩和ケアを並行できるか、ほかの選択肢や遺伝子パネル検査、臨床試験の有無を主治医に確認することから始めてください。セカンドオピニオンを受けることもできます。選択肢を書き出して整理するだけでも、次に決めるべきことが見えてきます。

詳しくは 主治医に確認したい質問 を参照してください。

卵巣がんの末期でも、無料相談を利用していいですか?

自宅で女性患者と家族が電話のスピーカーを使って相談し、ノートに内容を記録している写真。

はい。当協会では末期がんやステージ4、緩和ケアをすすめられた段階の方からのご相談を最も多くいただいています。治療の選択肢の整理、主治医に確認したいこと、これからの時間の過ごし方、ご家族の関わり方などを一緒に考えます。相談は無料で、電話・メール・オンラインに対応し、ご家族だけでも相談が可能です。

詳しくは 無料相談で整理できること を参照してください。

出典

本記事の医学的な事実と統計は、次の公的機関の一次情報に基づいています(2026年10月閲覧)。

本記事で示した数値出典
診断数 12,926例(2023年)、死亡数 5,116人(2024年)がん統計「卵巣」
5年相対生存率 全体59.9%、限局92.6%、領域63.6%、遠隔26.5%(2018年診断例)全国がん登録生存率データ(最新データ〈進行度別〉)
診断時の進行度の割合 限局21.4%、領域49.2%、遠隔17.7%(2018年診断例)同上
経過観察の頻度(治療後1〜2年目は1〜3カ月ごと、3〜5年目は3〜6カ月ごと、6年目以降は1年ごと)卵巣がん 療養
再発までの期間の区切り(6カ月)卵巣がん 治療
卵管がんの診断数 年間約200例卵巣がん 患者数(がん統計)
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